- 約9割の企業で採用活動にウェブを活用~経団連調査
- 準備は進めていますか? 来年1月1日より子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得ができるようになります
- 会社への愛着心・信頼感の高い働き方は、オンライン×オフラインを組み合わせた“ハイブリットワーク”~パーソルプロセス&テクノロジー(株)調査
- 「副業」実態調査~「エン転職」ユーザーアンケートより~
- 企業における感染症対策の実態は?~東京商工会議所調査より
- 国税庁が年末調整ソフトの提供を開始
- 中途採用比率の公表が来年春スタート
- コロナ禍で増える自転車通勤…… 企業に義務付けられる対応を改めて確認しておきましょう
- 労基法施行規則等の改正案「届出等の際の押印等の廃止・36協定届などの様式の見直し」について
- 2020年度の地域別最低賃金が改定、発効しました
- 11月の税務と労務の手続[提出先・納付先]
約9割の企業で採用活動にウェブを活用~経団連調査
経団連が先月15日、会員企業に対して実施した「2021年度入社対象新卒採用活動に関するアンケート結果-コロナ禍における採用活動の状況と今後の見込み-」を公表しました。調査対象は全会員企業1,448社で、このうち442社から回答があったものを集計したものです。
大手では2020年度も多くの企業で採用活動を実施
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの企業で業績の不透明感が増していますが、20年度新卒採用活動の実施状況は「実施した・実施予定」が95.9%で、ほとんどの企業が何らかのかたちで採用活動を行っていることがわかりました。
広報活動への新型コロナウイルスの影響
広報活動への影響では、「企業説明会等の中止」をした企業が90.1%、「合同企業説明会への参加取りやめ」をした企業が72.6%あったのに対し、「ウェブによる企業説明会等の実施」をした企業は88.4%にのぼりました。また、ウェブの活用により、遠方の学生がアプローチしやすいと考えている企業が多い一方、学生の企業理解や動機形成が進みにくいと考えている企業が多いこともわかりました。
選考活動への影響
ウェブ面接を実施した企業は92.9%で、63.8%の企業が「最終面接を含め全ての面接で実施」と答えており、「最終面接を除いて実施」が17.3%、「1次面接のみ実施」は7.1%にとどまりました。また、ウェブ面接は対面と比べて評価が難しいとした企業は62.7%で、「対面と変わらない」と回答した企業は27.4%、「対面より評価しやすい」という回答はわずか0.7%でした。
ウェブ面接のメリットとしては、「遠方でハンディのある学生に対して有効」(96.4%)、「交通費の支給などコストが減少」(81.4%)、「スケジュールの調整がしやすい」(74.0%)、デメリットとしては、「細やかな表情等が把握しにくい」(83.7%)、「通信環境を担保する必要がある」(75.8%)などの回答が多くみられました。
採用人数への影響
採用計画の人数については、約8割の企業が「当初計画どおり」と回答しましたが、採用計画の人数を減らした企業が2割弱ありました。人数を見直した理由については、「新型コロナウイルスによる業績への影響」と回答した企業が7割超でした。
大手企業の調査結果ではありますが、新型コロナウイルスの先が見通せないなか、ウェブを活用した採用活動は、中小企業でもいっそうすすんでいくとみられます。企業紹介映像の作成・公開やウェブ面接など、これまでは縁がないと考えられていた企業でも、真剣に取り組んでいく必要がありそうです。
【経団連「2021年度入社対象新卒採用活動に関するアンケート結果」】
https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/080.pdf
準備は進めていますか? 来年1月1日より子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得ができるようになります
「子の看護休暇」制度とは?
育児介護休業法により、小学校就学前の子を養育する労働者は、事業主に申し出ることにより、1年度において5日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては、10日) を限度として、子の看護休暇を取得することができます。
なお、取得できる労働者として、日々雇い入れられる労働者が除かれるほか、一定の労働者を労使協定で対象外とすることができます。
「介護休暇」制度とは?
育児介護休業法により、要介護状態にある対象家族の介護や世話をする労働者は、事業主に申し出ることにより、1年度において5日(その介護、世話をする対象家族が2人以上の場合にあっては、10日)を限度として、介護休暇を取得することができます。
取得できる労働者の要件は、子の看護休暇と同じです。
何が変わる?
子の看護休暇・介護休暇の取得単位は、1日単位または半日単位(1日の所定労働時間の2分の1。労使協定により異なる時間数を半日と定めた場合には、その半日)とされていますが、令和3年1月1日より、1時間単位での取得が可能となります。
また、1日の所定労働時間が4時間以下の労働者には、半日単位での取得をさせなくてもよいこととされていますが、令和3年1月1日より、1時間単位での取得ができることとなります。
何が必要?
育児介護休業規程の見直しが必要となります。さらに、子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得は、原則始業時間もしくは終業時間に連続するかたちで取得させればよいこととされていますが、厚生労働省では法を上回る措置として、いわゆる「中抜け」を認める制度とすることを求めています。規程の見直しにあたっては、中抜けを認めることとするかどうかの検討が必要です。
また、時間単位取得が困難な業務がある場合は、労使協定により、その業務に従事する労働者を対象労働者から除外することができるため、該当する業務がある場合は、労使協定の締結も必要となります。
会社への愛着心・信頼感の高い働き方は、オンライン×オフラインを組み合わせた“ハイブリットワーク”~パーソルプロセス&テクノロジー(株)調査
調査概要
新型コロナウイルスの感染症対策として、テレワークが一気に普及しました。全国各地で新しい働き方が広まっています。そんな折、総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社が、会社員を対象に実施した「テレワークに関する意識・実態調査」について発表した内容をまとめています。
※ハイブリッドワークとは、テレワーク(オンライン)と出社(オフライン)を組み合わせた働き方のこと
・調査期間:2020年9月12日~13日
・調査対象:20~60代の会社員400名(一般社員210名、部下のいる管理職190名)
働き方による意識
1効率的に仕事ができているか
「ほぼ在宅」76.4%、「ハイブリットワーク」76.9%、「ほぼ出社」62.9%と、ハイブリットワークの人が最も高い。
2 会社に対して愛着・信頼を感じているか
「ほぼ在宅」51%、「ハイブリットワーク」72.3%、「ほぼ出社」60.2%と、ハイブリットワークの人が最も高い。
3 社内の同僚や先輩、上司と円滑なコミュニケーションが取れているか
「ほぼ在宅」58.8%、「ハイブリットワーク」69.2%、「ほぼ出社」62.7%と、ハイブリットワークの人が最も高い。
4 テレワークをすることによる生産性の変化
在宅勤務者 テレワークをすることにより生産性が上がったと感じる割合:58.4%
■テレワークで、自身の生産性が上がった理由TOP3
第1位「集中して作業をする時間が取りやすくなった(65.5%)」
第2位「移動の時間が減った(63.2%)」
第3位「自分の裁量で仕事を進められるようになった(43.7%)」
■テレワークで、自身の生産性が下がった理由TOP3
第1位「社内の同僚や後輩、上司と円滑なコミュニケーションが取りづらい(51.6%)」
第2位「テレワークで働く環境(仕事場)が整っていない(48.4%)」
第3位「仕事を進めるうえでの確認などが非対面なので難しい(33.9%)」
管理職 部下がテレワークをすることによって生産性が上がったと感じる割合:44.1%
■テレワークで、部下の生産性が上がった理由TOP3
第1位「集中して作業をする時間が取りやすくなった(62.3%)」
第2位「移動の時間が減った(49.1%)」
第3位「部下の裁量で仕事を進められるようになった(43.4%)」
■テレワークで、部下の生産性が下がった理由TOP3
第1位「社内の同僚や後輩、上司と円滑なコミュニケーションが取りづらい(52.2%)」
第2位「テレワークで働く環境(仕事場)が整っていない(41.8%)」
第3位「仕事を進めるうえでの確認などが非対面なので難しい(40.3%)」
テレワークにより、パフォーマンスが上がったと感じる社員が58.4%いるのに対し、仕事ぶりを感心しない管理職が55.8%いるという結果が出ています。
総合的には、ハイブリット型での働き方が理想的という結果になっています。職種や業態によって異なりますが、これからニューノーマルといわれる働き方が中心になってくるのは間違いありません。会社にとっても社員にとっても最適な働き方の模索が続くことになるでしょう。
【パーソルプロセス&テクノロジー(株)「テレワークに関する意識・実態調査」】
「副業」実態調査~「エン転職」ユーザーアンケートより~
エン・ジャパン株式会社が運営する総合転職支援サービス『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)上で、ユーザーを対象に実施した「副業」についてのアンケート結果が公表されました。
副業希望者
「現在、副業を希望していますか?」と伺ったところ、49%が「希望している」(非常に希望している:24%、やや希望している:25%)と、昨年より8ポイントアップしました。「現在お勤めの会社では、副業は認められていますか?」と伺うと、27%が「認められている」と回答。約半数が副業を希望する一方、容認していない企業が多いことがうかがえます。
副業の希望理由
副業希望者に、希望する理由を伺ったところ、昨年の本調査と同様に「収入を増やしたい」(88%)が最多でした。「失業したときの保険」は22%と、昨年より8ポイント増加。新型コロナウイルス感染拡大以降、将来の仕事に不安を抱く方が多いことがうかがえます。
副業の経験
副業経験の有無を伺ったところ、34%が「経験がある」(現在している:12%、過去に経験がある:22%)と回答しました。昨年と比較すると、2ポイントの上昇。副業経験がある方に経験してよかったことを伺うと、第1位は「副収入が得られた」(82%)でした。副業に期待する収入増が実際に叶った方が多いことが分かりました。
ほかにも、「人間関係が広がった」(30%)、「知見・視野が広がった」(30%)という回答が目立ちました。中には「コロナ禍で出勤ができず、知人に紹介してもらい在宅でできる副業を始めた」と、新型コロナウイルスの影響が伺える回答もあります。
副業で不安なこと
副業の不安を伺ったところ、第1位は「手続きや税金の処理が面倒」(52%)でした。「20万円以上稼いだので確定申告が面倒くさかった」(28歳女性)、「本職ですら、怪我したりした時に労災をめぐってトラブルになったから」(35歳女性)など、副業をする上で必要な対応や制度理解を懸念に感じている方が多いようです。
第2位は「本業に支障が出そう」(37%)でした。 「現在の会社では副業は難しそうなので、もしやるとしたら会社バレが怖いです」(31歳女性)、「今の会社では具体的に副業可能か記載がなく、また副業可能かどうか聞くことで、転職の気があるか悟られないかが不安です」(27歳女性)など、本業の職場での印象や変わらず成果を出し続けられるか不安な方が多いことが分かりました。
第3位は「過重労働で体調を崩しそう」(36%)でした。「今の仕事で精一杯です。日曜日しか休みがないので副業は考えたこともありませんでした」(23歳女性)など、本業と副業のスケジュール調整、労働時間のバランスを不安視していることがうかがえます。
企業における感染症対策の実態は?~東京商工会議所調査より
企業活動に影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症
今年の頭から全世界にパニックを引き起こした新型コロナウイルスですが、多くの企業の事業活動にも大きな影響を及ぼしています。東京商工会議所が会員企業1,477社(回答数582社、回答率39.4%)を対象に実施した調査でも、76.1%が新型コロナウイルス感染症拡大は事業継続への影響を与えたと回答しています。大なり小なり、何ら影響を受けていないという企業は少ないのではないでしょうか。
感染症BCP 必要性は認識しながらも策定困難な企業が多い
本調査では感染症の対応を含むBCP(事業継続計画)の有無についても聞いており、「有る」と回答した企業は17.8%、「策定中」「今後、策定予定」と回答した企業は合わせて36.1%だったそうです。一方、「必要だと思うが、予定はない」と回答した企業は42.4%となっています。感染症BCP策定上の課題として、「ノウハウやスキルがない(66%)」「人員が割けない(49.5%)」との回答も多く、BCP策定の必要性は感じながらも、なかなか実施できないという企業の実情が読み取れます。
感染拡大防止のために実施した対策と購入資材
また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施した対策として、「手洗い・うがい・マスク着用の励行(96.6%)」「アルコール消毒液等の設置(94.5%)」はほとんどの企業が実施しており、「飛沫感染防止資材の購入(74.6%)」「定期的な従業員の体調確認(68%)」が続いています。感染防止のために社内で購入した資材としては、「手指用消毒液(90.5%)」と「マスク(86.9%)」が上位になっている一方、「設備用消毒液(46.6%)」「間仕切り(アクリル板等)(40.7%)」などは半数以下となっています。
企業に求められる対策
本調査は東京23区の会員企業の現況を示したものですが、対策が十分といえる企業はまだ少なく、付け焼刃的に対応している企業が多いようです。感染症に限らず、最近は自然災害等による影響も目立つところです。今後は、地域ごとの特徴を踏まえ、自社の課題を整理したうえでの、わかりやすい対策マニュアルの策定が求められていくことでしょう。
【東京商工会議所「企業における感染症対策に関する実態調査」結果について】
国税庁が年末調整ソフトの提供を開始
年末調整の電子化に向けた取組み
企業と従業員双方の事務処理の負担軽減を目的とした年末調整手続きの電子化に向けた取組みにより、令和2年分の年末調整から、生命保険料控除、地震保険料控除および住宅借入金等特別控除に係る控除証明書等について、勤務先への電子データによる提出が可能になりました。
そして令和2年10月、従業員が年末調整の書類をインターネット上で作成するためのソフトウェア「年調ソフト」の提供が開始されました(国税庁ホームページからダウンロード可能)。
電子化に対応している企業については、従業員へこれを周知し、電子化にともなって変更となる手続き等を確認し、来るべき年末調整に備えましょう。
また、今年は対応しなかったという企業についても、従業員からの問合せが増えることが考えられます。来年以降の対応も含め、自社の対応をあらためて確認しておきましょう。
電子化のメリットと注意点
電子化が進むと、従業員は「マイナポータル」を利用して簡単に申請書の作成ができるようになり、控除証明書等の紛失や計算ミスなどが減ります。
企業は、これまで多くの労力をかけていた検算・付け合わせ等の確認作業が大幅に削減できるようになります。また、提出された控除申告書は7年間保存する必要があり、保管コストが発生していましたが、電子データでの保管が可能となるためこれを削減できます。
一方で、情報漏洩を防ぐためのセキュリティの強化や、自社が使用する給与システムを対応させる場合の改修費が必要となる可能性もあり、注意が必要です。
なお、電子化にあたっては、従業員に対する周知や給与システム等の改修のほかに、従業員から申告書に記載すべき事項を電子データにより提供を受けることについて、あらかじめ所轄税務署に承認申請書を提出する必要があります。
【「年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)」(国税庁)】
中途採用比率の公表が来年春スタート
中途採用比率の公表
来年度から、企業は自社の中途採用比率を公表することとされました。
これは、政府が進める求職者と企業側のニーズのマッチング、新卒一括採用の見直し、就職氷河期世代や高年齢層の中途採用の拡大を反映した施策です。
9月に開かれた厚生労働省の労働政策審議会で、内容について「おおむね妥当」との答申が行われ、内容がほぼ固まりました。令和3年4月1日から施行とされていますので、対象となる企業では準備を進めておく必要があります。
公表の方法
対象は、常時雇用する労働者の数が301人以上の企業です。対象企業は、「雇い入れた通常の労働者及びこれに準ずる者」に占める、いわゆる中途採用者の数の割合を、
・おおむね1年に1回以上、
・公表日を明示し、
・直近の3事業年度分の実績について、
・インターネットなど、求職者等が容易に閲覧できる方法で、
公表しなければならないとされています。
ここでいう「通常の労働者に準ずる者」とは、短時間正社員のことです。短時間正社員とは、さらに具体的には、期間の定めのない労働契約を締結している労働者であって、1週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比し短く、かつ、通常の労働者と同等の待遇を受けるもの、です。
今後の情報に注意
自社ホームページの採用情報のページに掲載し公表するのがわかりやすいかと思われますが、具体的な明示の仕方などは、追って厚生労働省から案内されると思いますので、対象となる企業は今後の情報に注意しておきましょう。
また、特定求職者雇用開発助成金などの利用も併せて検討できるかもしれません。
コロナ禍で増える自転車通勤…… 企業に義務付けられる対応を改めて確認しておきましょう
コロナ禍で自転車通勤が増えている
コロナ禍の影響で、電車などの公共交通機関の利用を避ける観点から、自転車通勤が増えています。政府も、「環境問題や災害対応から推進する」と後押しする構えです。
従来、自転車通勤は、事故等への懸念から禁止する企業も多くありました。実際、2019年の統計によると、全国で発生している自転車関連事故数は年間8万件以上。一日平均200件以上の事故が起きている計算です。自転車通勤の要請が高まっている現状と、事故の多さを踏まえて、企業としては、改めて自転車通勤について検討し、対策を講じる必要があります。
条例への目配りも必要
自転車が関わる事故が多発していることを背景に、2020年4月、東京都は条例で、都民に自転車保険への加入を義務付けました。こうした動きは都に限ったものではなく、条例による保険の加入義務化は2015年10月に兵庫県で初めて導入されて以降広がっており、現在、15都府県・8政令都市が同趣旨の義務付けを行っています。加えて、11道県・2政令都市が努力義務としています。
これらの条例では、自転車利用者に損害保険への加入を義務付けるだけでなく、事業者の責務として、自転車の業務使用時の損害保険への加入、従業員安全教育などを定めています。
また、たとえば東京都では、事業者に対し、自転車通勤をする従業者に対する自転車損害賠償保険等への加入の有無の確認、確認ができないときの自転車損害賠償保険等への加入に関する情報提供も努力義務化されるなど、自転車利用を許可するに際しては条例への目配りも欠かすことができません。
これらの内容を盛り込んだ自転車通勤規程を定めるなどして、管理を行うことが望まれます。
保険加入の確認時の注意点
なお、自転車事故に適用可能な保険として、個人賠償責任保険があり、自動車保険・火災保険・傷害保険などに特約として付帯することができますが、これは日常生活に起因する事故が対象であり、業務中の事故には適用がないことに注意が必要です。
業務使用時の事故による賠償責任をカバーするには、企業賠償責任保険(施設賠償責任保険)や自転車の車体に付帯したTSマーク付帯保険に加入する必要がありますので、この点も確認しておきましょう。
労基法施行規則等の改正案「届出等の際の押印等の廃止・36協定届などの様式の見直し」について
行政手続における押印の見直しを受け、「労働基準法施行規則等の一部を改正する省令案」のパブリックコメントによる意見募集が、令和2年10月9日から開始されました(意見募集の締切りは令和2年11月7日)。
改正の趣旨
労働基準法および最低賃金法の規定に基づき、使用者に提出が求められている届出等について、規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)等において、行政手続における押印の見直しが明記されたことを踏まえ、これら届出等に際し、使用者および労働者の押印、または署名を求めないこととするというものです。
規制改革実施計画
令和2年7月17日に閣議決定された規制改革実施計画のデジタルガバメント分野における新たな取組みとして、「行政手続における書面規制・押印、対面規制の抜本的な見直し」が掲げられ、「各府省は、……原則として全ての見直し対象手続について、恒久的な制度的対応として、年内に、規制改革推進会議が提示する基準に照らして順次、必要な検討を行い、法令、告示、通達等の改正やオンライン化を行う。」ことが明記されました。
改正の概要
労働基準法施行規則、事業附属寄宿舎規程、年少者労働基準規則および建設業附属寄宿舎規程ならびに最低賃金法施行規則において、法令上押印等を求めないこととするとともに、労働基準監督署長等への届出等の際に押印等を求めている省令様式について押印欄を削除します。
押印等を求めている省令様式のうち、36協定届など、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者の記載のあるものについては、労働組合の記名がされている場合には事業場の労働者の過半数で組織されている旨を、過半数代表者の記名がされている場合には事業場の労働者の過半数を代表している旨および当該過半数代表者が労働基準法施行規則6条の2第1項各号(※)のいずれにも該当する者である旨のチェックボックスを設けることとするほか、所要の改正を行います。
※ ①法41条第2号に規定する監督または管理の地位にある者でないこと。②法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続きにより選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと。
いつから施行
令和3年4月1日予定(公布日は令和2年12月中旬予定)となっています。
2020年度の地域別最低賃金が改定、発効しました
コロナの影響で引上げ額の目安が示されず
10月1日から、2020(令和2)年度の地域別最低賃金額が改定、発効しました。今年度は新型コロナウイルスによる経済・雇用への影響を踏まえ、中央最低賃金審議会は「引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当」と答申し、引上げ額の目安が示されず各都道府県の地方最低賃金審議会での判断に委ねられることになりました。
全国の最低賃金の状況は?
今年度の地域別最低賃金は、7都道府県(北海道、東京都、静岡県、京都府、大阪府、広島県、山口県)が改定をせずに「据え置き」となり、その他の地域も1円から3円の引上げにとどまりました。全国加重平均は902円で前年度より1円の引上げとなりました。
また、最低賃金が最も高い東京都(1,013円)と最も低い地域(秋田県、鳥取県、島根県、高知県、佐賀県、大分県、沖縄県の7県(792円))の金額差は221円(昨年度は223円)でした。地域間格差は若干縮まりましたが、依然として深刻な問題となっています。
◆「早期の全国加重平均1,000円」を掲げていたが…
日本の最低賃金は他の先進国よりも低く、安倍内閣では年3%の引上げを明言し、昨年度は初めて1,000円を超す都県が誕生しました。また、早期の全国加重平均1,000円への引上げを目標に掲げていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって雇用が落ち込み、引上げにブレーキがかかってしまいました。
コロナショックが続く中、菅内閣に政権が変わり今後の最低賃金の引上げにどのように対応するかが注目されます。
【厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」】
11月の税務と労務の手続[提出先・納付先]
10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
16日
○ 所得税の予定納税額の減額承認申請書(10月31日の現況)の提出[税務署]
30日
○ 個人事業税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]
○ 所得税の予定納税額の納付<第2期分>[郵便局または銀行]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>
[公共職業安定所]